「里山住宅博 inTSUKUBA 2019」オープン記念セミナー開催

「里山住宅博 inTSUKUBA 2019」オープン記念セミナーが二日間にわたり開催された。
里山住宅博は、21社の木の家専門工務店によって計画され運営されてる。地場工務店の底力、地場工務店発信のまちづくりを見ていただくべく、各社切磋琢磨し、総力を挙げてつくりあげた家の見学、バンガードハウスを手掛けた3人の建築家のプレゼンそしてパネルディスカッションと充実したおなか一杯の企画でした。
伊礼氏は、標準化(スタンダード)を料理であれば、よくできた下ごしらえ、家具であれば、治具にあたるものと表現し、まちと家の間を設計する、道路を共通の庭ととらえて、植栽を自分でも楽しみながら、町にも提供していくという発想で、ゆたかな街をコストをかけずにつくりあげていくことを提唱。
堀部氏は、古いものということではなく、ながく残っているものの格の違いを感じていて、ながく風雪に耐えてきたものから、残っている理由を追求していくことで、建築のヒントを得ている。普遍的(ベーシック)なものを追求していくこと、それを建築に生かしていくことの意義を提唱。ながく愛されているものの例として、車でいえば、フォルクスワーゲンビートルやゴルフ、フォルクスワーゲンゴルフはバランスが見事であり、大好きな車の一つである、このゴルフのような建物を目指していると述べた。今回のバンガードハウスではキッチンに既製品を取り入れ、造作でお金をかけるのではなく、気軽だからこそ楽しめるキッチンを提案している。
森みわ氏は、今回のバンガードハウスの限られた予算の中での基本コンセプト・プランを説明するとともに、躯体性能はこのくらいで十分という思考停止的な意見や情報発信は危険で、地球環境・その持続性を考えた時、迷っている場合ではなく、できるだけのことをしていこうという意識が大事であることを、誰一人として置いてきぼりにすることのない社会を築いていくことを訴えた。
各プレゼンのあとの伊礼智氏、堀部安嗣氏、森みわ氏のパネルディスカッションは、新建ハウジングの三浦氏がファシリテーターを務め、とても聞きごたえのあるものになった。
パネルディスカッションのテーマとしては、「住宅博の今後」・「バンガードハウスのとらえ方」など展開しながら、かなり奥の深い話も出てきてうまく自分の中で租借しきれていないので心に残ったフレーズを以下に書き留めておく。
使い捨てでないまちづくりを考える、そもそも建物が余っている状況下での新しい街づくりへの懐疑、スタンダードVSベーシック、特殊性をひとつのかたちにしていくことが健全、標準とは「自分標準のこと」、標準があるから工夫がある、ふつうの家の底上げ、インスパイアーのためのバンガードハウス、モデルはチャレンジであり普通の家につなげる、規格化(標準化)は地場工務店の後方支援につながる、標準があるから工夫がある、建築家の役割の一つはプロトタイプをつくること、伊礼もどき・堀部もどきの家が増殖するのはどうか、型をつくりすぎるのはどうか、標準化で思考停止しないことが大切、考えることが大切、本当にキッチンはこのサイズでいいのか?浴室は1坪でいいのか?など、数値を目的に掲げるのではなく過ごしやすさや環境性を追求・提案していくことが結果目的達成に近づく等々の心に残るフレーズか飛び交う・・・これらをまとめることには至らなかったが、自分の中で家づくりをあらためて問い直すいいきっかけになったと感じている。
最後に「いばらきパッシブハウスの事例」をご紹介することでまとめとしたい。着工したての宇都宮の物件、お施主様は森みわPHJ代表理事のPHJメルマガでの言葉「省エネ運動は、貧困撲滅運動です。」という言葉に感銘をうけ、パッシブハウスという世界省エネ基準での家づくりを選択いただいた。家づくりという個の夢をかなえることが人の為になることに意義を感じ、家を建てることを、その家づくりのパートナーとして当社を選んでいただくことにつながったことに感動を覚えます。持続可能な社会のためこういった利他の心・他を考えることのできる豊かな心を持った方がもっともっと増えていくことを期待し、そのためにできる限り情報発信をすること、パッシブハウスという家づくりを信念をもって追及していくことで社会貢献していきたいと心を新にする機会となった。